医師と肝臓の病気

肝臓は腹部の右上に位置し、ほぼ肋骨の下に収まる体の中で最も大きい内臓です。代謝・排出・解毒・体液恒常性の維持など生命活動を維持する上で様々な重要な役割を担い、人一倍働き、ガマン強い臓器です。重さは体重の約1/50、1〜1.5kg、左右25cm・前後15cmの大きさがあり、肝臓は再生力が強いため、手術で3/4切除しても約4ヶ月で元の大きさに戻ります。少々ダメージを受けても黙って働き続けてしまうため、病気になっているのに症状が現れにくいのも肝臓の特徴です。こうした肝臓の病気には様々な病気がありますが、最も多いのは肝炎でその主な原因はウィルスとアルコールです。肝炎になっても症状が出ないものや完治するものもありますが、慢性肝炎になると治癒しにくく、肝硬変や肝ガンに進むと命を落とすリスクが高まります。

肝炎とは肝臓が炎症を起こしている状態で、赤く腫上り触ると痛みを感じます。一般的にはA、B、C、D、E型の5種類の肝炎ウィルスが原因となり、まれに伝染性単核球症、黄熱病、サイトメガロウイルスへの感染などが原因で肝炎が起こることもあります。その他にも、アルコールの過剰摂取や一部の薬剤の使用、アレルギーなどで肝炎を起こすこともあります。日本人の場合は約80%が肝炎ウィルスを原因とし、中でもA、B、C型の肝炎が多く見られます。

このように肝炎の感染原因は様々ありその症状はほとんど似ていますが、大きく3つに分けることができ、突然発生し一過性の急性肝炎、6か月以上症状が持続する慢性肝炎、1週間〜10日で死に至る劇症肝炎があります。中でも慢性肝炎の罹患者が多く、一度発症すると治りにくく一部は肝硬変へと病気が進行してしまう病気です。倦怠感・食欲不振・吐き気などの症状がある人もいますが、大半は自覚症状がないため健診などで偶然見つかるケースが多いようです。

慢性肝炎患者は日本に180〜200万人いると言われています。肝臓は身体の中でも重要な臓器であるため病気=死をイメージする人も多いのですが、慢性肝炎自体で死亡することはなく、ウィルスを除去して治癒に努め、肝硬変や肝ガンへの進行を防ぐことが大切です。慢性肝炎の治療ではバランスの良い食事、十分に身体を休める、強いストレスを避けるといった生活習慣を心がけ、インターフェロン治療や肝硬変・肝ガンの検査を定期的に受けることが必要です。

インターフェロン治療とは、身体の免疫系に働きかけてウィルス性肝炎を根治できる治療法です。B型肝炎では約3割、C型肝炎では約5〜9割の患者さんに治療効果が期待できますが、強い副作用を伴い、高額医療費(年間約80万円、助成あり)となるため医師との相談が必要です。

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